マインドセット

【考察】サラリーマンにとっての「安定」が変わってきているという事実

こんにちは、かっつんです。

突然ですが、みなさんは人生において「安定」を求めますか?

今年の春にこのようなニュースが少し話題となりました。

直近の就活生にとっての企業選びのポイントとして「安定している会社」が調査開始以来、常にトップポイントだった「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」を抜いて初めて一位となったそうです。

「2020年卒マイナビ大学生就職意識調査」を発表
https://www.mynavi.jp/news/2019/04/post_19872.html
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中川信行)は、「2020年卒マイナビ大学生就職意識調査」を発表しました。本調査は、学生の就職意識や就職活動全体の動向を把握することを目的に、毎年実施しています。

ここから何を読み取るかは色々な考えがあると思いますが、少なくとも今の学生にとって「安定した会社に勤める」ということは大きな意味を持つようです。

そもそも会社に属し、定期的に給料という形で収入を得る、僕たちサラリーマンに至っては、その時点で、ある程度は「安定」していると言えますが、そのサラリーマンにとっての「安定」というものが変わってきている、今日はそんなお話です。

安定の価値

みなさんもご両親に「安定した職に就いてほしい」とか「身を固めてほしい」なんて言われたことはありませんか?

上記の調査も示しているとおり、「安定した職」に就き、「安定した収入」を得、「安定した生活」を送ることができる、ということは大多数の人にとって「一つの価値」であることは言うまでもありません。

そもそも人間は本能的に現状を維持し、安定を好む(変化を嫌う)傾向にあります。

例えば・・・

・「人間は選択肢の数が増えるほど結局、普段と同じような商品を選んでしまう傾向がある」とするプリンストン大学エルダー・シャフィール教授の「現状維持の法則」

・「大きな変化や未知なるモノを避け、現状を維持したくなる心理的事象」として「現状維持バイアス」というものもあります。

確かに、安定した生活基盤(土台)があるからこそ、精神的にゆとりを持ち、家族や友人を大切に、趣味などのadd-onな要素を積み上げることができ、結果として人生を心から楽しむことができる。

そういった意味からも「安定」というものは人生において大切な要素の一つと言えます。

これまでのサラリーマンの安定観

では、これまでのサラリーマンにとっての安定観というものはどのようなものだったでしょうか。

昭和から平成にかけてのサラリーマンの安定像はそのまま「大企業信仰」とも言い換えられるかもしれません。すなわち「安定した企業や組織に所属すること=人生の安定」ということです。

安定した企業に入れば「終身雇用」で定年まで雇用が保証されており、「年功序列」で賃金は年齢とともに上がっていく。悪いことさえしなければ無事に定年を迎え、退職金とともにあとは悠々自適な年金暮らし。

これが昭和〜平成にかけてのサラリーマンの安定像です。

実際に日本の高度経済成長下においては、「終身雇用」や「年功序列」などの日本独自の労働制度が成立していましたし、企業もこの制度を維持したまま成長することができていました。

むしろ当時の環境においてはこれらが上手く機能していたからこそ、日本は世界屈指の先進国まで上り詰めたと言えるほどです。(この点はまた別な記事で書こうと思います)

いずれにせよ、安定した会社に人生を捧げることが、これまでのサラリーマンの安定観だったわけです。

これからも同じで良いのか?今の世の中の情勢

しかし、令和に入ったこれからの時代において、同じようには行かなくなってきています。

終身雇用の崩壊

平成から令和に元号が変わって早々、終身雇用の限界を明言する2つのニュースがありました。

まずは経団連の中西会長が終身雇用について「制度疲労を起こしている」と言及

 経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は7日の定例会見で、終身雇用について「制度疲労を起こしている。終身雇用を前提にすることが限界になっている」と改めて持論を展開。

出典元:朝日新聞デジタルhttps://www.asahi.com/articles/ASM575TKSM57ULFA02N.html

続いてトヨタの豊田社長が「会社側へのインセンティブがない」と言及

トヨタの豊田社長は業界団体のトップとして、終身雇用について「雇用を続けている企業にインセンティブがあまりない」などと述べ、今のままでは継続は難しいとの認識を示しました。

出典元:テレ朝Newshttps://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000154403.html

何を今更・・・と思った方も多いと思いますが、経済界と日本を代表する企業のトップが正式に終身雇用の崩壊に触れたということで、非常に話題になりました。

個人的には、これまで誰も公には言及することがなく、ある意味「チキンレース状態」だったものが、経済界におけるビッグネームの後ろ盾を得た状態となったわけですから、日本全体においてこの流れは加速していくものと思っています。

まさに「賽は投げられた」のだと思います。

経団連・中西会長「終身雇用は制度疲労」改めて持論展開:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASM575TKSM57ULFA02N.html
 経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は7日の定例会見で、終身雇用について「制度疲労を起こしている。終身雇用を前提にすることが限界になっている」と改めて持論を展開。「雇用維持のために事業を残すべきで…

大企業でも相次ぐリストラ

さらに・・・大企業と言われる企業においても昨今、整理解雇が進んでいます。

有名どころではNEC、エーザイ、日本ハム、富士通、コカコーラなどが昨年から次々と人員整理を行なっています。

今のところ、対象は主に45歳以上(昇進の限界も見えて、モチベーションが下がってくるとされている層)のようですが、今後拡大していくことはあり得る話かと思います。

(個人的には退職勧奨を受け入れる人ってきっと他社でもやっていける自信がある人だと思うので、整理解雇にどれくらい意味のあることなのか疑問ですか・・・)

いずれにせよ、名だたる大企業がこのような状況ですので、もはや日本には「安定した企業」なんてものはないのかもしれません。

以上のことからも、令和の時代においては、先の記事にあった「安定している会社」に就職することがそのまま安定した人生に繋がることは非常に考えにくい、と言えると思います。

令和のサラリーマンにとっての「真の安定」とは?

では、これからの時代、我々サラリーマンはどのようなスタンス、考え方でサラリーマン人生を歩み、安定を手にすべきなのか。

会社に依存せず、自分自身が個人として稼ぐことができる力を身につけておく」ということだと思います。少し具体的に言うならば明日会社をクビになったとしても平然と「でしたら次に行くので大丈夫です」と言える状態を作っておく、と言うことです。

そのためには、上記のようなマインドを持った上で常に自身の市場価値を意識し、日常の仕事を行う上でも自分の市場価値を高める努力をすることが必要だと思います。

特に日本企業は人材育成において社内でしか通用しないスキルや知識を習得させることに重きを置く傾向があるように思います。

もちろん、社内で活躍する上では当然必要なことですので、おろそかにすべきではありませんが、それだけでは市場価値は上がらないと認識し、さらなる能力の向上に努めなければなりません。

ただ、これは自分も含めてなのですが、事務職系の職種に就いている方の場合、専門スキルなどを通常業務の中で習得することはなかなか難しいと思います。そんな時は自分が行ってきた仕事を定期的に棚卸しを行い、抽象化することで、他のフィールドにおいてどのように役立てることだできるのか考える機会を設けると良いでしょう。

この抽象化⇨転用の考え方については前田祐二さんの「メモの魔力」にも記載がありますので、ぜひ読んでみてください。

その他にも、日常の仕事だけではなく、常に社外の世の中全般に目を向け、本を読む、社外の人と交流を持つ、副業をするなど、自分の世界を広げることを大切にすることで、会社に依存しない個人としての価値を高めることが、令和時代における「本当の安定」に繋がるのだと思います。

まとめ

今回は僕たちサラリーマンにとっての「安定」について考えてみました。

まとめ

  • 人生をゆとりを持って楽しむためには「安定」は必要。
  • これまでのサラリーマンの安定は、潰れない企業や組織に所属し、人生を捧げることで得ることができていた。
  • しかし令和に入って、そのような安定を支えてきた「終身雇用」や「年功序列」という日本独自の労働文化が立ち行かなくなってきている。
  • これからの時代において、本当の意味での安定を手にするためには、個人としての市場価値を高め、どこででも稼げる状態にしておくことが大切。

以上です。

個人としての価値を高め、本当の意味での安定を手にすることで、少しずつでも自分の思いどおりの人生にしていきたいものですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。